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生野島 その2
島を凝視すると未来の日本を見透かすことも出来よう。
生野島の老齢人口は70%を超えているだろうか。
フェリーの乗客も若者は皆無だった。
福浦、くさの浦、月の浦と歩みを進めると何処も廃屋が痛々しい。
時代とは言え、弱いものがあっさりと切り捨てられる構図を
蔦が生い茂る壁が静かに物語っている。
島の人達も腕をこまねいていた訳ではない。
福浦の真正面に、復興を賭けていたアワビ加工場の建物がある。
しかし操業は6年ほど前に終了している。
こうして消えてゆく故郷がどのくらい増え続けるのだろう。
行き場の無い痛みに似た感情が胸に湧くのを覚える。
そう、訪れるのは今しかないんだ。
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